BLEACH・千年血戦篇の最序盤、黒崎一護の前に突然現れた男『アズギアロ・イーバーン』。
アニメでは、声優は『駒田 航(こまだ わたる)』さんです。
ユーハバッハや星十字騎士団が猛威を振るう前段として出てくる謎のキャラクター、アズギアロについて解説したいと思います。
アズギアロ・イーバーンとは
アズギアロ・イーバーンは、破面(アランカル)でありながら、ユーハバッハの元で滅却師の為に仕えていた人物です。
新しい空座町の担当となった死神、『斑目志乃』と『行木竜ノ介』。
黒崎一護たちが彼らと話している最中、突然現れたのがアズギアロです。
背後からいきなり名を名乗られ、一護は驚きますが、
「ベッドからおりろ」
と瞬時に冷静に対応し、窓から放り出されそのまま戦闘が始まります。
キルゲ・オピーに選ばれた破面
ユーハバッハは、虚圏(ウェコムンド)を侵略し、ティア・ハリベルを拉致。
藍染惣右介の去ったあと残っていた破面たちは、ほとんどが殲滅されていましたが、強い者は一部ユーハバッハに仕えるよう選抜されていました。
その選抜を行っていたのが『キルゲ・オピー』です。
破面たちは、少し命乞いをしたくらいでは容赦なくキルゲに槍で刺されていました。
おそらくアズギアロ・イーバーンも、元々は虚圏で暮らしていたと思われます。
生き残るのはかなり厳しい高圧的な選抜ですが、アズギアロはキルゲに立ち向かう勇気があったのでしょう。
敗北したとはいえ、相手が黒崎一護ですからそれなりの強さも認められる程の破面だったようです。
アズギアロ・イーバーンの武器&道具
滅却師十字(クインシークロス)
滅却師十字は、アズギアロ・イーバーンが黒崎一護との戦闘で使用したメインの武器です。
アズギアロは破面ですが、斬魄刀を持っておらず滅却師の力のみで戦闘を行いました。
滅却師十字が、大きな弓型の武器に変化。
大砲のような見た目の砲塔から爆炎を連射できるようです。
メダリオン
メダリオンは、死神の卍解を奪うことのできる道具です。
後に護廷十三隊はこのメダリオンによって多くの卍解を強奪されることになります。
アズギアロは一護が卍解状態になるよう挑発し、意気揚々とメダリオンを使用します。
しかし、黒崎一護にはその効果は通用せず、そのまま敗北。
アズギアロ本人は意外だったようですが、ユーハバッハは元から黒崎一護の卍解はメダリオンでは奪えないと予想していたようです。
・メダリオン使用時の詠唱(作中ではアズギアロ・イーバーンしか詠唱していない)
溶けよ
海よ雲へ 雲よ雨へ
雨よ霧へ
姿成すものよ
見えざるものへ
我等歓喜の末に
杯を地に伏せる
リューダース・フリーゲンとの関係性
ユーハバッハに仕えていた破面はアズギアロ・イーバーンだけではありません。
リューダース・フリーゲンも、破面でありながらユーハバッハに仕えていた1人です。
リューダースは、アズギアロよりも格上の存在だった事が会話から推察できます。
破面として生きていた頃から上下関係があるのか、ユーハバッハに仕えた後『見えざる帝国』の中で上下関係が生まれたのかは不明です。
ユーハバッハはアズギアロに重きを置いていた?
アズギアロが黒崎一護と戦闘を繰り広げていた間、リューダースは山本元柳斎重國のもとに宣戦布告をしに行っていました。
ユーハバッハは、特記戦力に黒崎一護は加え、山本元柳斎は加えていません。
黒崎一護に関しては出自の貴重さも関係しているため一概には言えませんが、総じてユーハバッハは山本元柳斎より黒崎一護を重視していたのは間違いないでしょう。
星十字騎士団を含む大勢で山本元柳斎のもとに向かわされたリューダース。
対して、単身で黒崎一護のもとに向かわされたアズギアロ。
この二人の上下関係とは関係なく、ユーハバッハの中ではアズギアロのほうが駒として使えると思っていたのかもしれませんね。
アズギアロ・イーバーンの最期
この破面たちは、ユーハバッハの”駒”として利用される存在。
最初から生かしておくつもりなど毛頭ないというような酷い殺され方で最期を迎えます。
ボロボロになったアズギアロの目の前で、まずリューダースが処刑されます。
「今 私の前に居るお前は預言者か?」
「私は ”今”の話が聞きたい」
そして、絶望的な表情になったアズギアロもそのまま処刑。
「お前には特に賞すべき点も罰すべき点も無い」
「黒崎一護の足止めとしては充分だった」
「平和への礎となるが良い」
武器を使うこともなく、突然血だけが吹き出して一瞬で最期を迎えました。
この一連のシーンは、ユーハバッハが部下を恐怖で支配する、まさに”独裁者”ということを強調するシーンです。
最期に~破面としての誇り
石田雨竜の「滅却師の誇りにかけて」。
朽木白哉の「私の誇りに刃を向けたからだ」。
BLEACHでは、度々”誇り”というワードが登場します。
特に、石田雨竜と滅却師にはよくこの言葉が使われる印象を受けます。
さて、アズギアロ・イーバーンに”破面としての誇り”はあったのでしょうか。
キルゲ・オピーに屈し、ユーハバッハに屈し、駒として捨てられる。
黒崎一護との戦闘中では、まるで元々見えざる帝国の一員だったかのような高揚感が見て取れます。
藍染惣右介の統治下にあろうと、十刃を始めとする破面にもそれぞれの矜持がありました。
藍染無き後も、ハリベルやネリエルを筆頭に、破面は虚圏を治めてきました。
描かれていないだけで、初めこそ恐怖による支配だったのかもしれません。
しかしそれでも、アズギアロ・イーバーンは、あまりに誇りに欠けた破面だったのではないでしょうか。
以上、ユーハバッハに屈した破面『アズギアロ・イーバーン』の解説でした。
ご覧いただきありがとうございました。